自殺は意外と面倒【完全自殺マニュアル】
あなたは今死にたいと思っているだろうか?
自殺して楽になりたいだろうか?
もし、確実に死ねる方法が知れたらどうする?
自殺って悪いこと?もちろん、これから挙げる本著やこのブログを読みながら各自で考えてみて欲しい。
こういう状況のなかで、もうただ生きてることに大した意味なんてない。もしかしたら生きてるんじゃなくて、ブロイラーみたいに“生かされてる”だけなのかもしれない。だから適当なところで人生を切り上げてしまうことは、「非常に悲しい」とか「二度と起こしてはならない」とか「波及効果が心配」とかいう類の問題じゃない。自殺とはとてもポジティブな行為だ。
(完全自殺マニュアル P7 はじめに にて)
本著は純粋に「どんな死に方があるのか・どうすれば間違いなく死ねるか」についてさまざまなケースも含めて紹介する、いわば自殺のハウツー本である。鶴見済(以下、著者)曰く、「その気になればいつでも死ねる安心感」こそ、私たちが頼れるものだという。
今回はそんな本をも読書感想文のネタにしてみた。
1.確実な手段と準備が万全なら自殺はほぼ成功する
前提として、本著は必要と感じたら自殺はしてもいいという立場であり、確実にそれが達成できるように具体的な話が書いてある。
数々の自殺方法を
- 苦痛
- 手間
- 見苦しさ
- 迷惑
- インパクト
- 致死度
の6項目に分けて、各手段の成功確率や見た目的な効果などを解説していたり、具体的な手段、成功・失敗例も盛り込んである。
例えば薬なら何錠飲むのか、切腹なら刃渡り何cmが必要か、飛び降りなら何m以上かつどこへ落ちれば確実かを細かく書かれている。もし実行したい場合は本著を手に取り、勝手に色々準備してみて貰ったらいい。
ここで具体的な情報を得て、楽しようと思わないこと。
2.【注意】稀に生き延びてしまう
確実に死ぬ方法が書かれているが、奇跡が起きてごく稀に生き延びてしまうケースや、いざ実行しようと思うと、足がすくんで未遂に終わるケースがある。
著者も論文やデータを集めて分かりやすく解説しているだけであって、肝心な当事者ではないという点に気をつけて読むこと。
3.個人的にベストと思っている自殺方法は…
「凍死」特に雪山で。
「寝るな!死ぬぞ!」という台詞が有名なように、雪山でなら意識が眠るように、苦痛を伴わず死んでゆける。
しかも気温の著しく低い場所でなら、腐敗による身体へのダメージも少ないだろうし、首吊り自殺より見た目はいいだろうと思っていた。
ただ、懸念事項もいくつか書かれていた。
死体発見時期が春の雪解けの時期になれば、当然死体は腐る。樹海での首吊り自殺死体のように、動物に無惨に食い散らされるので、運が悪けりゃ、(死体の状態として)綺麗には死ねないこともあるらしい。
もっと状態をよくという点に拘るなら、世界一の標高のエベレストなら、死体も回収されないし、標高8,000mなら余計な生物も入り込めない。
と思って、ググってみた。
(写真:Wikipediaより)
ところが、エベレストへは金がやたらかかる。最も安い登山コースで入山に250万円ぐらいかかるらしいので、貯金を頑張るか、複数の金融機関に借金をして保険金で返済するという計画が必要なぐらい料金のハードルが高い。もっとも、エベレストへ救助が来ることは基本ないので、保険金で返済するにしても行方不明扱いになったら、死亡が確認できず保険金は中々下りないかも?
わざわざ死にに行くのに、こんなにも大金が必要なら、仕事を辞めて普通に世界一周して、観光してからでもいい気がする。
4.死に美を求める奇妙な死生観
そもそも、なぜ私が本著を手に取ろうと思ったのかも話すことで、この本の一つの楽しみ方を提案したい。
ある日私が実家に帰った時のことである。その日食べる食材を買いに、近くのスーパーへ家族と出掛けていた。
そのスーパーには、鯛やサバ、アジ、サンマ、カレイなど捌かれる前の綺麗な状態の魚がずらりとコーナーいっぱいに広く並べられていた。
魚の鱗やぬめりが照明の光を反射して煌びやかに映るその光景を見て魅了されながら、なぜか私はこう思ったのだ。
「なぜ、魚でさえもこんなに綺麗に死ねるのに、ヒトは綺麗に死ぬことが難しいのだろう。」と。
何事も不器用で上手くいった経験はかなり少なく、生きる理由を見出せず、心も満たされず、それでも自殺を駆り立てる気持ちををいつも制していたのは、「見た目的な意味で美しく死ぬ」ことだった。
正直、死んでしまえば、自分の状態もそれを見た相手の状態も何一つ知ることはないのに、汚らわしい姿で人前に晒されるのがイヤなのだ。
飛び降りで赤黒さや黄色くなってバラバラな肉片になることや、首を吊って望まぬ失禁をして、ウジ虫にズタズタに喰われるのは個人的に美しくないと思っている。
また、眠るように死ねそうな睡眠薬などの自殺方法は、知り合いの女性がそれを実行して失敗し、何年も寝たきりになったことを聞いていたので、リスクの割に不確実だと思っていた。
どういう美的感覚が身についたのか不明だが、とにかく死ぬ時だけは彫像のように美しい姿で幕を下ろす。それが私の目指すべき死に方なのだ。
とにかく、生きるのに苦しくなって、一度「死」についてバカ真面目に調べて考察してみたいと思い本著に行き着いたのだ。
死ぬとどんな姿になるのかについても書かれているので、どんな最期を迎えたいのか、死に方からライフプランを立てる上で参考にしてみてはどうだろうか?
5.結局、私は自殺したいのか?しないのか?
結論の前に。まず死に方への美意識的な拘りがあるので色々と悩んだ。
そんな中、本著をAmazonで注文して届くまでの間、ふと冷静にもなって考えていた。
「ここまで死に方を調べる好奇心があるなら、他のことにも有効活用できないだろうか?」
なぜ、自分が生きる理由を見出せなくて落ち込んでいる理由を考えていた。
理由はたった一つだけだった。
それは、
承認欲求だ。
死にたくなる理由がハッキリと分かった瞬間、その承認欲求とは何か調べあげ、さらに自分の人生への向き合い方を変えたので、今はまだ死ぬ必要がないという結論になった。
承認欲求が理由とはどういうことか?詳しくは別の機会にて。